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「流沙の塔」「流沙の塔」(上・下) 船戸与一著 2000.11.1発行 朝日文庫「...沙河に多くの悪鬼、熱風あり。遭えば即ち皆死して、一として全き者なし。上に飛鳥なく、下に走獣なし。遍望曲目、渡る処を求めんと欲すれば、即ち擬する所を知らず。唯死人の枯骨を以って、標識と為すのみ。」 という東晋時代の求法僧・法顕の言葉が巻頭に置かれているこの長編推理ミステリー小説は、1994年9月から95年12月まで「週間朝日」に連載され、その後単行本となり、そして2000年11月に文庫本が出版されました。横浜で若く美しいロシア人女性が殺された。死体には真紅の薔薇の花、左胸には狼の紋様が刻まれたナイフ。その手口は一月前、中国広東省・梅県で起こった事件に驚くほど酷似していた。二つの事件の背後には、中国の裏社会で対立している秘密結社・会道門同士の抗争、ウイグル民族独立運動をめぐる内紛、公安当局の暗躍とが複雑に絡み合っていた。それぞれの思惑に翻弄される男たちが、タクラマカン沙漠の沙塵の彼方に見たものは ― 中国の闇の世界を抉り出す長編大作。 これ以上物語の内容を明かしては読む楽しみが減ってしまいますので、ここでは物語の主な舞台となる地名を紹介するだけに止めます。・横浜
〜〜芥子に頼るは流沙に塔を築くが如し〜〜 (2001.6.9) 「越境する新疆・ウイグル」「アジア遊学No.1 越境する新疆・ウイグル」 新免康編 1999.2.20 勉誠出版発行本書には新疆に関する12の論文と2つの随筆が載っていて、現在のウイグルの経済、文化、教育、言語などについて幅広く論じられています。ただし政治の現状に関する分析が無いのが残念に思われます。 その内容は:−
巻頭言的な最初の新免先生の論文の中で、次のように述べられています。
(2001.7.7) 「宮沢賢治と西域幻想」「宮沢賢治と西域幻想」 金子民雄著 1994.7.10発行 中公文庫私の故郷・花巻が生んだ偉人である宮沢賢治と西域の関わりを、著者の自由闊達な発想をもとに著した随想集です。今では在庫切れで入手困難かもしれません。 法華経を信仰した宮沢賢治にとって、数多くの仏典が発見された西域は憧憬の地だった。賢治の詩や童話に登場する西域の意味を丹念に読み解き、著者の個人的体験を含めた幅広く自由な解釈を重ね合わせることによって、賢治作品に新しい魅力を見出した随想集。 (2001.6.9) 「アジアの奥地へ [上] 西域を行く」「アジアの奥地へ [上] 西域を行く」 ユーリ・レーリヒ著 1985.9.5 連合出版発行本書は1925年3月から28年5月まで行われた新疆、モンゴル、チベット調査旅行の記録の前半に当ります。著者はロシア生まれの東洋学者ユーリ・レーリヒで、調査団の団長は彼の父ニコライ・レーリヒ、母エレナも同行しました。時代はヘディンやスタインのそれと重なります。 目次を紹介しましょう。 第1章 カシミールからラダクへ
前者ではカラコルムの大自然との悪戦苦闘が、後者では辛亥革命からまだ日が浅く混沌とした新疆の政治情勢の中を行くキャラバンの様子が描かれています。彼らの旅は自分の足と馬とラクダやヤクで行われました。(数年後のヘディンの調査団にはトラック4台が使われています。) 下巻のサブタイトルは「チベットを行く」です。 (本書の原著は1931年の発行) (2001.6.9) 新疆研究室(菅原純ホームページ)http://www3.aa.tufs.ac.jp/~sugawara/jsindex.htm中央アジア史、特に中国領の新疆 (東トルキスタンとジュンガリア) の近代史を専門とする、新進気鋭の菅原先生のHPです。先生はコンピュータやインターネットにも大変お詳しいようです。
・ごあいさつ
と多岐にわたっています。本来は研究者や大学生のためのHPと思いますが、新疆に関心を持っている素人にも楽しめます。ウイグル語の勉強もでき、ネイティブ・スピーカの発音を聞くこともできます。 私が興味を持って度々訪れるのは「研究室日記 兼 What's New?」(http://homepage2.nifty.com/jsugawara/nikki/nikki.htm)です。新進の研究者の日常生活が克明に記されています。研究者仲間との議論、研究費を得るための苦労、コンピュータやインターネットにまつわるあれこれ、学部学生に対するウイグル語の授業のこと、などなど... 研究のお邪魔にならないように、先生にメールを送ることなどは慎重にお願いします。 (2001.6.9) TAEKLIMAKANhttp://www.makanim.com/どこの誰が作っているHPか分かりませんが、かなり凝った作りになっています。ウイグル語、中国語、英語と3つの入口がありますが、英語はまだ中身がありません。(大分前から同じ状態です。)
(2001.6.9) (2001.6.9掲/7.7改)
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